2012.3.20 北京・故宮博物院展 [美術鑑賞]
2月9日~3月18日まで愛媛県美術館で北京・故宮博物院展が行われていたので、
最終日の2日前・16日に出かけました。
東京国立博物館での北京・故宮博物院200選と一部の開催期間が重複するので、
当然同じ作品が展示される事はありません。
二つの展覧会は共に日中国交正常化40周年記念としての催しと言う事で、
中国側は特別に数多くの「国家一級文物」の貸し出しを承認したのだとか。
※国家一級文物は国宝級に相当します
両方の展覧会に200点ずつが出品されたようでした。
所蔵品が180万点もあるのですから、その中の400点を貸し出しても全く影響はありませんね。
展覧会のテーマは、一方が男性の立場、もう一方が女性の立場で構成されたようです。
北京・故宮博物院展が
地上の天宮 后妃や宮女など故宮に生きた女性たちの波乱の生涯やまなざし
北京・故宮博物院200選が
紫禁城 天子の宮殿 乾隆帝を軸とした廷臣や貴族の生活や清朝の世界観
私が見たのは、女性の立場から見る紫禁城の生活でした。
これから先の画像は全てパンフレットや絵葉書からのものです。
これは光緒帝の大婚の為に作られたオンドル用の敷物の一部分です。
結婚の日から三日三夜、この様な真紅で彩られた喜房と言う寝所で過ごすのだそうです。
これは乾隆帝皇貴妃の肖像です。
皇帝の伴侶は皇后を別として貴妃2名、妃4名、嬪6名だったそうです。
あの西太后は嬪から妃へ、更に貴妃へと昇格したとのことでした。
これは、后妃が慶祝の日に頭に被った髪飾り。
小さい真珠や玉で飾られていました。
花模様が描かれた執壺です。 酒器として使われるものです。
国家一級文物です。
こんな風に食卓がしつらえられたであろうと、これらの品を用いて展示してありました。
后妃たちの四季折々の余暇の図です。
これは書を見て詩を吟じる様子 これは蝋燭の灯火で衣を縫う様子
(観書沈吟の一部分) (燭下縫衣の一部分)
これは西太后によって井戸に投げ込まれた光緒帝の妃だった珍妃の印です。
位によってデザイン、サイズ、素材などが細かく決められていたそうです。
興味深かったのはこちら。
マッサージローラーです。
后妃達も身体にコリがあったと思われます。
これを身体に当てて、コロコロ転がし血行を良くしたのでしょう。
健康器具はこの頃からあったのですね。
テーマどおり、清の時代の後宮の女性達の愛、喜び、妬み、憎しみ、悲しみ・・・
もろもろに想いを馳せながら観賞しました。
帰宅後、もう一つの北京・故宮博物院200選が気になり、ネットで調べ、図録を注文しました。
この展覧会の東京国立博物館の公式サイトは
今月30日午後6時頃までは見る事が出来ます。
展覧会にお出かけでなかった方は、是非こちらをご覧ください。
http://www.kokyu200.jp/
この公式サイトのサイドバーにあるブログ(1089ブログ)も図録以上の説明がありお勧めです。
1089ブログ・・・東京国立博物館の愛称・とーはくを数字であらわしているようです。
http://www.tnm.jp/modules/rblog/index.php/1/category/16/
東京の展覧会では出展された半数が国家一級文物なそうですね。
また門外不出とされた書画、中国国外で初公開の神品と言われる「清明上河図」も出品されている。
やはり、中央での展覧会は格が違います。
図録が届いたら、じっくりと両者の展覧会の様子を比べて見たいと思っています。
昔からマッサージローラーなんてものがあったんですね^^
by Baldhead1010 (2012-03-20 06:50)
展覧会などで古いものを見ると
今もこれらを超えるものが創られているんだろうかと
思うことがあります。
by 斗夢 (2012-03-20 08:47)
以前、テレビでみたのですが
人間は二足歩行をするようになってから
体に無理がかかるようになったようですね。
by こうちゃん (2012-03-20 08:52)
良かったですね。爺は北京の故宮博物院は2度行きましたが、
もうすっかり忘れてます、でも日本から贈られたものもありましたよ。
by 旅爺さん (2012-03-20 09:47)
素晴らしい作品群ですね。中国は歴史がしっかりしている。
マッサージローラには驚き、人間がしていると思っていましたが・・・
by green_blue_sky (2012-03-20 10:08)
以前、ラストエンペラーって映画を観てから
紫禁城に、興味があったのですが、中々・・・^^;Aアセアセ
図録、楽しみですね(^^)
喜房・・・映画の中に出て来ました。
by kontenten (2012-03-20 10:29)
こういうものを見ていると、日本とのつながりに思いをはせますね。何しろ、日本にとっての先生だった訳ですからねえ。遠い昔。
by kjisland (2012-03-20 11:30)
素晴らしい展覧会に行かれたのですね。
色合いとか独特ですよね。
by ChatBleu (2012-03-20 19:35)
水晶ローラー、今でも通用しそうですね。
by 雅 (2012-03-20 20:31)
◆Baldhead1010様 あったのですね~。 驚きました。
形の違うものが他にもありましたよ。
by 青い鳥 (2012-03-20 20:51)
◆斗夢様 エジプトで発掘されたもの、古代ギリシャ彫刻などを見ると
既に完成されていてこれ以上のものは出来ているだろうかと私も思います。
by 青い鳥 (2012-03-20 20:58)
◆こうちゃん様 日本足歩行によって脳が発達した代償として
身体に無理がかかるようになったのでしょうね。
by 青い鳥 (2012-03-20 21:01)
◆旅爺さん様 故宮博物院を2度も訪れる事がお出来になるなんて
なんと素晴らしいことでしょう!
私は多分行くことにはならないでしょうから、展覧会や図録で満足する事に
致します。
by 青い鳥 (2012-03-20 22:55)
◆green_blue_sky様 東京の展覧会には私が見たものより更に素晴らしい
ものが出品されていました。
マッサージローラー、本当に驚きました。
by 青い鳥 (2012-03-20 22:59)
◆kontenten様 ラストエンペラー、私も見ました。あの映画を思い出しながら
作品群を見て回りました。
喜房、私もよく覚えています。あんなに赤い色だけの中に3日もいたら
耐えられないだろうと思った事でした。
by 青い鳥 (2012-03-20 23:03)
◆kjisland様 そうですね。 中国は長い間日本の先生でしたね。
そして、今後も再び日本が見習わなくてはいけない状態になる事でしょう。
いえ、既になっているとも思えます。
by 青い鳥 (2012-03-20 23:07)
◆ChatBleu様 独特の色合いですね。東博の展覧会は一段と素晴らしかった様です。
by 青い鳥 (2012-03-20 23:11)
◆雅様 このマッサージローラー、今でも十分使えそうでした。
by 青い鳥 (2012-03-20 23:14)
器や髪飾り、細部まで精密に作ってあり本当にすごいです。
高貴な方もマッサージローラーを使用していたと思うと
少し、親近感がわきます。
でも、水晶のローラーとはやっぱり豪華ですね!
by ゆみっさ (2012-03-20 23:29)
さすが中国、贅を尽くしていますね。
マッサージローラー、売り出したら相当高そうですね。
by いいだや (2012-03-21 10:06)
国家一級文物・・・美しいです。
日本もそうであるように丁寧な仕上げの美しいものたち
の中で、実際暮らすのは髪型や飾り物衣装が重く肩が
凝ったりしたでしょうね。マッサージローラーは今の原理
と同じですね。
by えす (2012-03-21 14:49)
◆ゆみっさ様 私も見ていて親近感がわきました。
今までは別世界の人達と思っていましたので。
メノウのマッサージローラーもありましたよ!
by 青い鳥 (2012-03-21 19:11)
◆いいだや様 何と、メノウのマッサージローラーもありました。
貴人の生活用具は庶民とはこんなにも違うのですね。
by 青い鳥 (2012-03-21 19:13)
◆えす様 貴人は貴人としての苦労があったのでしょうね。
マッサージローラーは原理は全く現代のものと変わりませんね。
犬用の洋服もありました。
by 青い鳥 (2012-03-21 19:20)
◆まぁくん様、 xml_xsl様、 flutist様、 心如様、 Tomie様、 ENO様、 ナビパ様、
みずき様、 HAtA様、 ryo1216様、 hirosan様、 マサボー様、 デルフィー様
ご訪問とnice!有難うございます。
by 青い鳥 (2012-03-21 19:28)
金印、その由来は興味ありますね~
by OJJ (2012-03-21 22:18)
◆OJJ様 后妃達の印、階級によって材質、大きさ、デザインが細かく規定されていたそうです。
皇后の印は玉でした。刻まれている文字も皇后のものは漢字だけでなく、
漢文と満文が併記されていました。
珍妃の印は漢字だけでした。
by 青い鳥 (2012-03-22 13:00)
◆nononn様、 侘び助様 ご訪問とnice!有難うございます。
by 青い鳥 (2012-03-22 13:01)