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2013.12.27 白堊芸術祭 [美術鑑賞]

12月18日、東京は雪かも知れないとの予報の中を上京しました。
松山を出発する時は雨。
いつもは晴れ女の私ですので、大変珍しいことです。
東京へ着いたら曇りでした。 何とか晴れ女の面目を保てたようです[手(チョキ)]
上京の目的はこれです。
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高校の同窓生が自分達の作品を年に1度発表し合う場を設けて
今回で第6回となるのです。
「白堊」とあるのは、高校の校舎が「白堊城」などと呼ばれていたからです。
何故かと言うと、母校の校舎が創立以来4代続けていずれも真っ白だったためで、
同窓会名も白堊同窓会となっています。

これまでは銀座の狭い画廊が会場だったのですが、
今回は広いギャラリーを確保でき、出品数も多いとのことでした。
私達昭和41年卒業組は「白堊芸術祭応援」と銘打って午後3時頃会場に集合し、
作品を鑑賞したあとで忘年会をしようと幹事さんが企画してくれたのです。

会場入り口では懐かしい校旗のミニ版が出迎えてくれました。
旧制中学のものと新制高校になってからのものの2つが一緒に飾られていました。
P1110978.JPG


会場内の様子です。 
出品者は50名以上、100点余りの作品が展示されていました。
出品者の年齢は80歳を超えた方から40代の半ばの方まで幅広かったです。
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五行歌に写真を付け加えた作品のコーナーもありました。
五行詩で名を知られているY氏は、1年後輩なのです。
P1110951(1).jpg


絵画の出品が多かったです。P1110963.JPG

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同期生3名の作品をご覧ください。
十年以上鎌倉彫に取り組んでいる友人の作品からどうぞ。

                  飾箱 「連鎖」
P1110976.JPG
作者から直接説明を聞くことが出来ましたが、
蓋の上部から側面にかけての渦巻き模様も繋がっているし
渦巻き模様の左側に見える模様も箱の内側の黒い部分にまで繋がっている、
それで「連鎖」と名付けたということでした。

彼はもう一点出品していて、色がとても珍しいものでした。
写真では色が上手く出ていませんが、
緑がかった藍色が濃い部分から少しずつ薄くなっていく
また縁との境目は白っぽくなっている・・・と大変手の込んだ作品です。
早池峰薄雪草の姿がとても美しく表現されていました。
花の後ろに見える斜めの稜線は早池峰山、
左側下方の隅の方に見えるのは早池峰山から見える岩手山を表しているそうです。

                三角盆「早池峰薄雪草」
三角盆早池峰薄雪草(1).jpg


二人目の作品は絵画3点です。
彼女は高校時代から絵画部に所属していたと今回初めて知りました。
音楽部に所属していたことは知っていましたが、2つの部活を掛け持ちしていたそうです。
(掛け持ちと言えば、私自身も英語部と茶華道部を掛け持ちしていました。)

今までは3枚目の作品のように具象画を出品していたのですが、
今回抽象画に初挑戦したとの事でした。
現在は上野の森美術館の絵画教室に通っているそうで、
この抽象画は先生からお褒めの言葉を頂いた作品なそうです。
「同じ動作を何度も繰り返すことによって、
そこから発するエネルギーを感じるような作品を作るように」と言われて
試行錯誤を繰り返して生み出されたものだということでした。

        抽象への第一歩「集積のエネルギーその1」
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               「集積のエネルギーその2」
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                     「静物」
P1110946(1).jpg

 
三人目は在京白堊会の会長を務めている友人です。
母校の創立記念日頃に毎年開催される在京白堊会の同窓会総会の模様を
五行歌の作品に仕上げていました。

                     写真五行歌


他の作品も少しご紹介いたします。
                    写真五行歌
P1110950(1).jpg


懐かしい故郷の行事、チャグチャグ馬っ子の写真もありました。
P1110966(1).jpg

P1110968(1).jpg


これは復元された陸前高田の一本松ですね(映り込みがあってすみません)。
P1110967(1).jpg


書道作品も見応えがありました。
P1110956(1).jpg  P1110957(1).jpg


                   彫刻 「希望の種」
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大先輩の作品もどうぞ。
            三彩七重ノ塔
P1110969(1).jpg

        鎌倉彫 「のうぜんかずら長方盆」 「獅子牡丹文板額」P1110977(1).jpg


最後に大変心に残った作品をお目にかけてこの記事を終えます。
      スクラッチ3点 「たて琴アザラシ」 「山猫」 「アデリーペンギン」 
P1110947(1)(1).jpg
動物の描写の緻密なこと!、圧倒されてしまいます。
一方で表情の愛くるしさには見ていて頬が緩みました。

この作品は一見モノクロ写真かな?と思ってしまいがちですが違うのです。
だからこそスクラッチとの題名がついているのでしょう。
作者から直接話を聞くことができればいいのですが、残念ながらそれは出来ませんでした。

ある人が「多分こうなのだろう」と制作過程を想像していましたが、私も同感です。
以下にそれを述べますが、もしも美術にお詳しい方がいらっしゃって
間違いがあるようでしたらお教え下さい。

スクラッチ・・・おそらく金属板かアクリル板かその表面に黒いインクあるいはフィルムを
固く蒸着した基板の上から刃先の鋭いもので削り取っていくのでしょう。
削り取るということでスクラッチと呼ぶのではないでしょうか?
銅版画にもイメージは似ているように思います。

  ※ 普通スクラッチはキャンバス地の目をつぶすように下地材を塗り重ね、
    その上から何種類かのアクリルガッシュのさまざまな絵の具を重ねていくらしいですが
    色が白と黒だけの作品だったので上の様な説明にしました。

会場に集った同期生19名、鑑賞と談笑を終え仲良く近くの忘年会会場に移動したのでした。

     ※ 年末ではありますが、今日の午後から出かけなくてはなりません。
        松山には30日の夕方に戻ります。
        それまで皆様のところにはお伺いできませんが
        戻りましたらお伺いさせて頂くのを楽しみにしています。


2013-12-27 00:00  nice!(32)  コメント(12) 

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コメント 12

Baldhead1010

どの作品からもパワーが感じられます。

継続して精進された賜ですね。
by Baldhead1010 (2013-12-27 04:39) 

斗夢

大変貴重なことを継続されているんですね。
みなさん熱心に取り組んでいらっしゃる、羨ましいですね。
五行歌に興味があり、一時挑戦したのですが、尻切れトンボでした^^。
by 斗夢 (2013-12-27 05:12) 

kemm

白亜同窓会、東京でこれだけの大きな
芸術祭を開かれるとは凄いですね。
漱石が教鞭をとったあの学校でしょうか。
同期のご3人の作品も素晴らしいですね。
by kemm (2013-12-27 05:44) 

takenoko

沢山の皆さんが出展されているんですね。伝統校なんですね。白堊会は「しっくいかい」と読むのですか?。青い鳥さんは私と同世代ということがはっきりしました。
by takenoko (2013-12-27 06:04) 

はくちゃん

おはようございます
(^^)/
by はくちゃん (2013-12-27 08:25) 

green_blue_sky

これは良きイベントですね。
それに展示される人や物がいい。
良き同窓メンバー~~
by green_blue_sky (2013-12-27 08:47) 

ChatBleu

たくさんの作品、素晴らしいですね。
毎年開かれるなんてスゴイです。
by ChatBleu (2013-12-27 13:14) 

こいちゃん

白堊っていい名前ですね。私の出身高校は「藤花同窓会」と言います
地元石井町の藤の花からです。
そしてみなさん、素晴らしい才能をお持ちですね。圧倒されますね
才能のない私にはうらやましい限り。
スクラッチは削り取る、引っ掻くと言う意味の画法なのですね。母校芸術科を出ている娘さん(友人の)に聞きました
宝くじのスクラッチってあるでしょアレと同じよって。。。ほぅ(まる子ちゃんスクラッチ買うかい)
by こいちゃん (2013-12-27 15:27) 

侘び助

抽象画の観賞はとても難しいと思いました。
画家のMさんいわく自分の感性で見ればいいと…
それが難しい~美音痴
by 侘び助 (2013-12-27 19:11) 

テリー

素敵な作品が多いですね。
by テリー (2013-12-27 23:01) 

ponpei

同じ上京でも、格調が異なってしまい赤面しました。
by ponpei (2013-12-28 12:44) 

いいだや

スクラッチ、実際に見てみたいです。
by いいだや (2013-12-29 08:56) 

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